AI(人口知能)について

私はあまりテレビを見ないのですが、先日、家族が「NHKスペシャル「AIに聞いてみたどうすんのよ!?ニッポン」」という番組を見ていたのを、横でパソコンに向かってブログを書きながら、耳で少しだけ聞いていました。今回NHKが行なったのは、コンピュータに大量のデータ(30年分・5,000種類・700万件)を読み込ませて、さまざまな事象の相関関係を見つけ出すというものでした(AIというよりも、コンピュータを使ったデータマイニングのような気もしますが……)。コンピュータは「なぜそうなるか」という因果関係までは分からないけれど、ある事象が増えると、それに連動して別のこういう事象が増える(減る)という相関関係を大量のデータのなかから見つけ出すことができます。例えば、「40代ひとり暮らし」が増えると、「自殺者数」「餓死者数」「空き家数」「救急出動件数」などが増え、「合計特殊出生率」「老人クラブ会員数」などが減るといったものです。そして、それをもとに意外な提言が導き出されていました。

NHKスペシャル「AIに聞いてみたどうすんのよ!?ニッポン

AI(人口知能・artificial intelligence)に関しては、最近ではプロ棋士とコンピュータとの対局が話題になっていますが、もっともっと広範で大きな影響を社会全体に与えるだろうと感じています。いい機会なので、備忘録的に基本的な用語や考え方などを整理しておこうと思います(主にWikipediaからの引用です)。


【従来からのAI】
「機械学習」の手法を使うAIで、記号的AI、論理的AI、正統派AI、古き良きAIなどと呼ばれる。

【計算知能(CI)】
数理論理学に基づく「従来からのAI」とは一線を画すもので、ファジィシステム・ニューラルネットワーク・進化的計算といったヒューリスティックな(必ず正しい答えを導けるわけではないが、ある程度のレベルで正解に近い解を得ることができる)アルゴリズムなどを研究対象とする。

【機械学習】
人間が自然に行っている学習能力と同様の機能をコンピュータで実現しようとする技術や手法。サンプルデータ集合を入力して解析を行い、そのデータから有用な規則、ルール、知識表現、判断基準などを抽出し、アルゴリズムを発展させる。

【教師あり学習】
事前に与えられたデータをいわば「例題(=先生からの助言)」とみなして、それをガイドに学習を行う。

【教師なし学習】
「教師あり学習」がその「出力すべきもの」も入力として与えるのに対して、「出力すべきもの」があらかじめ決まっておらず、データの背後に存在する本質的な構造を抽出する。

【ニューラルネットワーク】
脳機能に見られるいくつかの特性を計算機上のシミュレーションによって表現することを目指した数学モデル。シナプスの結合によりネットワークを形成した人工ニューロン(ノード)が、学習によってシナプスの結合強度を変化させ、問題解決能力を持つようなモデル。

【ディープラーニング(深層学習)】
多層構造のニューラルネットワーク(ディープニューラルネットワーク)を用いた機械学習で、情報が第1層からより深くへ伝達されるうちに、各層で学習が繰り返され特徴量が自動で計算される。画像認識や音声認識等の分野に活用されるほか、プロ棋士を破る将棋プログラムもディープラーニングの手法を使っている。

【弱いAI】
意識を持ったり、人間並みの幅広い認知能力を持つまでには至らず、特定の問題の解決や推論を行うことができるAI。

【強いAI】
人間の知能に迫るような幅広い知識と、何らかの意識を持つAI。

【心身二元論(実体二元論)】
この世界にはモノとココロという本質的に異なる独立した二つの実体があるとする考え方。デカルトの「二元論」がその代表。ただし、最近ではこの考え方を支持する人は少ない。

【一元論】
一つの実体から現実が成り立っていると主張する考え方。身体と心の問題については、①心だけが現実だと考えるもの、②心身いずれもがなんらかの第三の本質(エネルギー等)に還元されるとするもの、③身体だけが現実であり、心は身体に還元されるとするものなど、複数の主張がある。

【人工意識】
技術によって作成された人工物が持つ意識、あるいは人工物に意識を持たせること。「機械は意識を持てるのか」という論争のほか、「人間とは異なる肉体を持つコンピュータに持たせることができる意識は果たして人間とコミュニケーションが可能な意識なのか」という疑問も提起されている。

【チューリング・テスト】
ある機械が知的かどうか(人工知能であるかどうか)を判定するためのテスト。アラン・チューリングによって考案された。それぞれ隔離された状況で、人間の判定者が、別の人間と一機の機械に対して通常の言語での会話を行い、判定者が機械と人間との確実な区別ができなかった場合、この機械はテストに合格したことになる。このテストに対して、哲学者のジョン・サールが「中国語の部屋」という思考実験で反論しているが、さらにそれに対する反論もある。


私自身は、意識は脳の働きによって生じていて、魂のような別の何かは存在しないと考えています。したがって、死後の世界も天国も地獄も存在せず、死んで脳の働きが停止すれば意識もなくなると思います。そして「機械が意識を持つことができるのか?」という問題については、そもそも「意識とは何か?」ということがきちんと定義されていないように思いますが、意識は生命体に特有な何らかの反応によって生み出されている気がするので、どんなに機械が学習を積んアルゴリズムが精緻化されても、生命体でない機械が意識を持つことはないような気がします。これは素人の勝手な推測です。

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