数式をそのままコピペした文章をWordPressにアップロードしようとすると、データベースエラーが出てしまいます。数式内の特殊文字が原因でSQLクエリが失敗するようです。このエラーを回避するためには、WordPressにMathJax-LaTeXやSimple MathJaxなどのプラグインをインストールして、かつ数式をLaTeX記法で書く必要があります。ただ、この方法はWordPressのブロックエディターと相性があまりよくなくて、せっかく書いたコードをブロックエディターが書き換えてしまうようです。下のページは、「提言」に載せるのために見様見真似で、悪戦苦闘しながら、なんとか作ったページです。
【参考】散逸構造が分岐点を超え新しい秩序が生まれる過程の数式による説明
散逸構造の最も単純な例である「ピッチフォーク分岐(熊手型分岐)」について以下に説明する。この例は、今まで一通りしかなかった安定な状態が、ある限界を超えると、2つ(またはそれ以上)の安定な状態に分かれてしまう現象である。
「ピッチフォーク分岐」を、最も単純で標準的な数式で表すと、以下のような非線形常微分方程式になる。
\[\frac{dx}{dt} = \mu x – x^3\]
左辺の \(\frac{dx}{dt}\) は、時間の経過(t)に伴う、\(x\)の時間微分(時間の経過とともに \(x\)どれだけ速く増減するか)を示している。
右辺の\(\mu x – x^3\)のうち、\(\mu x\)は線形項である。\(\mu \)は比例的な成長の定数であるが、単なる数学的定数ではなく、系に外部から与えられる負荷や流れの強さ(例えば、温度差、エネルギー流、社会的圧力など)を表している。
一方、\(- x^3\)は\(x\)値が大きくなるにつれて成長を抑制する方向に働く非線形項である。
したがって、上記の方程式の意味は「\(x\)の変化率は、ある成長要因と、成長に伴って強まる抑制要因の差によって決まる」というものである。
「定常解(固定点)」とは、時間が経っても変化しない(つまり\(\frac{dx}{dt} = 0\) になる)解のことを言い、ピッチフォーク分岐においては定常解に関して次のような現象が現れる。
分岐前:パラメーターがある値より小さい(または大きい)場合、1つの安定な定常解(しばしば自明解\(x = 0\))のみが存在する。
分岐点: パラメーターが臨界値に達すると、この定常解の安定性が変化し始める。
分岐後: パラメーターが臨界値を超えると、元の定常解は不安定化し、その代わりに、元の解から枝分かれするように2つの新しい安定な定常解(非自明解)が対称的に出現する(この形がピッチフォークに似ている)。ここで現れる秩序構造は、外部からのエネルギー供給(\(\mu \))がある限り維持されるが、それが失われれば再び消滅する。この意味で、これは「静的な平衡構造ではなく、散逸によって支えられた構造(散逸構造)」だと言える。
このことの物理的意味は、
- \(\mu < 0 \):\[x = 0 (無秩序・一様状態) \]
- \(\mu > 0 \):\[x = \pm\sqrt{\mu} (秩序構造の出現) \]
この時、ゆらぎは以下のように表現できる。(なお、\(\delta x(t)\)は、\(x \)の時間平均値からの瞬間的な変動成分(ずれ)を表す表現)。
\[\delta x(t) \sim e^{\mu t} \quad (\mu > 0)\]
つまり、分岐点を超えると、それまで無視できた微小なゆらぎが増幅され、どの秩序が実現するかを事後的に決定する(法則は結果を一意には定めない)。
<まとめ>
- 分岐点とは、「これまで安定だった状態が、もはや自分自身を保てなくなる境目」である。
- 分岐点を超えると、系は一つのあり方にとどまることができず、複数の安定な秩序構造のいずれかを選び取ることになる。このとき現れる秩序は、外部からの流れによってのみ維持される散逸構造であり、その具体的な形は、分岐点付近で増幅された微小なゆらぎによって決まる。
- 「新しい解が得られる」とは、数学的には安定な解の数が増えることを意味し、哲学的には、今まで存在できなかったあり方が、現実的な選択肢として立ち現れることを意味している。
以上

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