「ハナミズキ」の歌詞に込められたメッセージ

一青窈さんの「ハナミズキ」は大好きな曲の一つですが、城南海さんの新しいカバーアルバム「ミナミカゼ」にも収録されているので、最近何度も繰り返し聴いています。

この曲の歌詞は一青窈さん自身が作詞したものですが、「僕」「君」「君の好きな人」「母」はそれぞれ誰を指しているのか分からなかったし、「どうか来てほしい 水際まで来てほしい」「果てない波がちゃんと 止まりますように」「一緒に渡るには きっと船が沈んじゃう」といった箇所が何を表現しているのかイメージできずにいました。

いろいろネットで調べて、やっとこの歌詞に込められた思いが分かりました。この歌詞は、2001年9月11日に「アメリカ同時多発テロ事件」が起こった際に、ニューヨークの友人から一青窈さんに届いたメールがきっかけで、一週間ほどで書き上げたものだそうです。当初の歌詞には「テロ」「散弾銃」といった生々しい言葉が含まれていたけれど、それらをみんな削っていって「君と好きな人が百年続きますように」という歌詞に結実させたのだそうです。

ハナミズキは、百年ほど前に東京からワシントンD.C.へ桜を贈った返礼として日本に贈られた木で、日米友好のシンボルです。花言葉は「私の想いを受けとってください」。

歌詞に出てくる「僕」は母親で、9.11のテロに巻き込まれて亡くなった人を指します。「君」はその娘。「君の好きな人」は、特定の人というよりもすべての人を指します。なお「僕」は父親という解釈もあるようです。

「水際」は、あの世とこの世の境です。

「一緒に渡るには きっと船が沈んじゃう」は、タイタニック号の沈没シーンの連想から、「自分が助かるよりも、他の人を助けたい」という思いが込められています。

「果てない波がちゃんと 止まりますように」は、怒りの連鎖が止まりますように。

「君と好きな人が百年続きますように」は、怒りの連鎖の代わりに人を思う気持ちの連鎖が広がって、世界中のすべての人が幸せになりますようにという思い。永遠ではなく百年なのは、人間はせいぜい百年くらいしかいきられないから。そして、みんながそういう気持ちを持てば、世界は変わるのではないかというメッセージが込められています。

ということが分かって、今また「ハナミズキ」を聴いています。そして私も心から願います。

ー君と好きな人が百年続きますようにー

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