安倍内閣を振り返る

8月28日(金)の記者会見で安倍首相が辞意を表明しました。第1次安倍内閣は、2006年9月26日から2007年9月26日までの366日間。そして、第2次〜第4次安倍内閣は、2012年12月26日から現在まで7年8ヶ月続いてきました。その経済政策「アベノミクス」は、当初は「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」の「三本の矢」を政策運営の柱に掲げていました。その後2015年からは、「一億総活躍社会」を目指すとして、「希望を生み出す強い経済」「夢をつむぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」からなる「新・三本の矢」 を政策の柱としてきました。

しかし、安倍内閣の政策の実態は、株価の引き上げとGDPをはじめとする量的指標の拡大を目指すものばかりで、今後少子高齢化が急速に進む日本の在り方を質的に転換しようとするものは皆無だったと、私は思います(2014年12月に私が書いた意見は→こちら)。そして、質的な転換がまったくできないままに過ぎ去ったこの7年8ヶ月は、日本にとって取り返しのつかない時間だったと感じています。

もっと根源的なことを言えば、バックミンスター・フラーが「政治家に社会全体の先導(イニシアティブ)を求めることは、犬のしっぽに犬の散歩を頼むようなものだ」と言っているように、政治家が国民を正しく導いてくれると考えるのは全くの幻想です。この点に関する私の意見は、同じ「Opinion」のカテゴリにある「【再掲】国と為政者の本質について」をご覧ください。

最後に、安倍首相の健康が優れないことは誠にお気の毒で、心からお見舞い申し上げますが、「森友・加計・桜・検察庁・電通・河井」などの疑惑の解明は、それとは別の問題です。これらの疑惑に対して司直のメスが入ることを強く望みます。

首相官邸HPより

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