この半年間の読書について

退職して自由な時間が増えた昨年8月から、先人たちのきちんとした知見を土台にして、その上に自分の意見を構築しようと、いろいろな分野の本を読んできました。自然科学と人文科学の両分野の本を同時並行的に読むことで、かなり視野が広がったと感じています。今まで無関係だと思っていた事柄の間に新しい関連性が見つかって、「ああ、そういうことだったのか!」と気づくことも多かったです。

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特に印象深かったのは、『社会生物学』で有名なエドワード・ウィルソンの次の主張です。

人もまた自然選択(自然淘汰)の所産なのだという命題は、確かにあまり魅力的なものではないが、この見解を回避する道はなさそうである。そして、人間の置かれた状況を真剣に考察しようとする際に、この命題は、常にその出発点におかれるべき必須の仮説といえる。この命題を無視する限り、人文・社会諸科学は、物理学抜きの天文学、化学抜きの生物学、そして代数抜きの数学のようなもので、表面的な現象の単なる部分的な記載の域にとどまってしまうのだ。

私もこの主張に賛成で、なぜヒトは神を信じるようになったのか、なぜヒトは為政者に従順に従うようになったのか、なぜヒトは争うようになったのか、なぜヒトは富や権力を追い求めるようになったかという本源的な理由を、ヒトの長い進化の過程を踏まえてきちんとおさえたうえで、どうやってそれを乗り越えて、自由で機能する社会を築いていくのかという提言をまとめたいと考えています。

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