【再掲】アブラハムの宗教について

2015-01-10の記事を再掲します。


一神教の間の対立によって痛ましい出来事がたくさん起きていますが、キリスト教もイスラム教もユダヤ教も、預言者アブラハムを始祖とする点では、同じ起源から起こってきた宗教です。聖書の「創世記」は、「天地創造」から始まり、「アダムとイヴ」、「失楽園」、「カインとアベル」、「ノアの方舟」、「バベルの塔」についての記述がそれに続きます。そして、その次に登場するのが最初の預言者アブラハムです。

イスラム教の聖典は「クルアーン(コーラン)」なので、聖書はイスラム教には関係ないと思う人が多いかもしれませんが、聖書(キリスト教でいう「旧約聖書」の部分)はイスラム教においても「啓典」の一つとされています。

聖書には、神がアブラハムの前に現れ「あなたの子孫に、わたしはこの地を与える」と預言したと書かれています。これを読んだときに私の頭に浮かんだものは、何度も紹介してきた「クリティカル・パス」のあの寓話(→こちら)です。聖書の記述は、「ウマにまたがり棍棒を腰に吊るした小男」が「自分がこの土地を所有している」ということを、神の名を借りて主張しているように思えてなりません(言うなれば「なわばり所有権神授説」)。

現在世界中で起きている争いごとの出発点は、実は、先史時代に行われたこの「なわばり」に関する主張なのかもしれません。自分は宗教について不勉強で、聖書を全部読んだわけではないので、あくまでも推測ですが……。

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