斎場御嶽(せいふぁうたき)

斎場御嶽」の「斎場(=せーふぁ)」は「最高位の」という意味で、「御嶽(=うたき)」は琉球の信仰において祭祀などを行う場所です。なお、「斎場御嶽」は通称で、正式な神名は「君ガ嶽、主ガ嶽ノイビ」です。琉球王国尚真王の時代(15〜16世紀)に作られた御嶽で、「アマミキヨという神が天から降り立ち国づくりを始めた」という琉球開闢の神話と関連しています。「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の一つとして世界遺産に登録されています。

斎場御嶽

御門口(ウジョウグチ)。かつては、ここから先は男子禁制で、かつ神事をする人しか入ることができませんでした。一般の人はこの場所から聖域の分身である6つの香炉に向かって祈りを捧げていました。
御門口(ウジョウグチ)

大庫理(ウフグーイ)。最初の拝所で、祈りの場所です。
大庫理(ウフグーイ)

寄満(ユインチ)。琉球王国に寄せられ満ちた貿易の品が集まった場所と言われています。
寄満(ユインチ)

御嶽は深い森の中に囲まれていて、神秘的な風景が広がっています。
深い森に囲まれた神秘的な風景

シキヨダユルアマガヌビーとアマダユルアシカヌビーの壺。これらの壺は、聞得大君と首里城の王子の「水撫で(ウビナディー=美御水を奉納する行事)」に使われました。
シキヨダユルアマガヌビーとアマダユルアシカヌビーの壺

三庫理(サングーイ)。2つの巨石が重なって、三角形の空間ができています。その奥に「チョウノハナ」と呼ばれる拝所があり、最も神聖な場所だとされています。
三庫理(サングーイ)

「チョウノハナ」からは琉球開闢神話の聖地である久高島が見えます。もっとも、御嶽が作られた当初はこの方向にも岩があって久高島は見えず、後に岩が崩れたために見えるようになったようです。
久高島が見える

最後に「斎場御嶽」についての個人的な感想を少しだけ。
王朝の権威と結びついた神話の特徴は「神が天から降りてくる」という垂直の構図にあって、琉球開闢の神話もその類型に当てはまると思います。ただその一方で、久高島に関わる神話の部分には「ニライカナイ」も登場するのでちょっと複雑です。なぜなら「ニライカナイ」ははるか海の彼方にあり、我々の住む世界と水平の構図にあるからです。この辺りについて自分はあまりに知識不足なので、もう少し琉球開闢の神話について調べてみようと思いました。

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