「縁唄〜フォークソングとやなわらばー〜」の感想

4月8日に発売されたやなわらばーのニューアルバム「縁唄〜フォークソングとやなわらばー〜」を何度も繰り返し聴いています。

縁唄

「縁唄」は、60年代から70年代のフォークソングをカバーしたアルバムで、ジャケットが当時の雰囲気をうまく醸し出しています。オリジナル曲にかなり忠実なアレンジなので、イントロが流れるとオリジナル曲を聴いているように錯覚します。さらに、サポートミュージシャンがみんな揃って一発録りをしたり、柔らかい音色になるケーブルを使ったりと、録音の随所に当時の雰囲気を再現する工夫が凝らされているそうです。ボーカルの音像がクリアで、ふたりの声のハモり具合が実に心地よいです。


1. 恋人もいないのに
発売:1971年8月5日(私が12歳)
歌:シモンズ
作詞:落合 武司
作曲:西岡たかし

シモンズのデビュー曲で、60万枚を超えるヒットとなりました。テレビやラジオでたくさん流れていたからか、いちばん印象深くに私の記憶に残っている曲です。ハモりが綺麗なシモンズは、まさにやなわらばーの大先輩だと言えます。シモンズはCMソングをたくさん歌っていて、なかでも「明治チェルシーの唄(作詞:安井かずみ、作曲:小林亜星)」が有名です。やなわらばーもニベア「atrix」や「はいむるぶし」などのCMソングを歌っていますが、個人的には、もっともっとたくさんCMソングを歌ってほしいと思っています。やなわらばーが歌うこの曲は、オリジナルに勝るとも劣らぬ美しいハーモニーで、「縁唄」のなかでもイチオシの曲に仕上がっています。


2. 悲しくてやりきれない
発売:1968年3月21日(私が8歳)
歌:ザ・フォーク・クルセダーズ
作詞:サトウハチロー
作曲:加藤和彦

ザ・フォーク・クルセダーズの衝撃的なデビュー曲「帰って来たヨッパライ」に続く2枚目のシングル。サトウハチローの詩と加藤和彦作曲のゆるやかなメロディがよくマッチした名曲です。ただ、私の記憶に残っているのはもっぱら「帰って来たヨッパライ」で、この曲はかなり後になってから知りました。やなわらばーが歌うと、悲しくてやり切れない気持ちが、原曲よりもさらに深く込み上げてきます。


3. 妹
発売:1974年5月20日(私が14歳)
歌:かぐや姫
作詞:喜多条忠
作曲:南こうせつ

「神田川」「赤ちょうちん」に続くかぐや姫の「四畳半三部作」の第三弾。かぐや姫は私が中学生の頃に全盛期だったので、この三部作はとにかくよく聴きました。「縁唄」では、ゆうちゃんが主旋律をしっとりと歌っています。ピアノ中心のアレンジもいいですね。


4. 「いちご白書」をもう一度
発売:1975年8月1日(私が16歳)
歌:バンバン
作詞:荒井由実
作曲:荒井由実

あまりヒット作がなかったバンバンが、ユーミンに曲作りを依頼しOKとなってできた曲で、バンバン最大のヒットとなりました。なお、「いちご白書」は1970年に公開されたアメリカ映画です。「縁唄」では、りおちゃんソロ、ゆうちゃんソロ、二人のハモりがとてもバランス良く組み合わされています。


5. 秋でもないのに
発売:1970年9月1日(私が11歳)
歌:本田路津子
作詞:細野敦子
作曲:江波戸憲和

本田路津子のデビュー曲。この曲は、デビューのきかっけとなった「ハルミラフォークコンテスト」の審査員をしていた石川鷹彦の持ち歌で、歌詞を女性向けに書き直したものだそうです。石川鷹彦は、録音にもすばらしいギター演奏で参加しています。私が生まれて初めて自分のお小遣いで買ったLPレコードが「秋でもないのに」でした。「縁唄」では、ゆうちゃんが主旋律を歌い、サビの部分でりおちゃんが控えめにハモっています。


6. 雨が空から降れば
発売:1968年?(私が9歳?)
歌:六文銭
作詞:別役実
作曲:小室等

小室等が率いる六文銭の代表曲。リリースされた時には私はまだ小学生の低学年だったので、この曲を知ったのはずいぶん後になってからですが、「しょうがない 雨の日はしょうがない」という歌詞は、自分にとってとても重要な人生訓になっています。ゆうちゃんが主旋律を実にしっとりと歌っていて、この曲の人生観・世界観がみごとに表現されていると思います。


7. ささやかなこの人生
発売:1976年6月25日(私が16歳)
歌:風
作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三

の3枚目のシングル。この頃は受験勉強の重圧であまり音楽を聴かなくなっていたのか、前年にリリースされた「22才の別れ」が強く記憶に残っているのに対して、この曲はぼんやりとしか覚えていませんでした。やなわらばーの歌声で改めて聴き直してみると、なかなかいい曲です。


8. 青春の影
発売:1974年6月5日(私が14歳)
歌:チューリップ
作詞:財津和夫
作曲:財津和夫

チューリップの6枚目のシングルで、今でもCMなどに多用されている名曲です。この曲以前のチューリップは、姫野達也がメインボーカルを務め、どちらかというとアイドルグループ的な路線を走っていましたが、この曲を境に明確に路線を変更をしました。当時の私もこの曲がかなり気に入っていて、真似して歌おうとしましたが、財津和夫のような歌唱がないので悲惨なことになりました。さすがにやなわらばーは、この難曲を余裕でカバーしています。


9. この広い野原いっぱい
発売:1967年1月2日(私が7歳)
歌:森山良子
作詞: 小薗江圭子
作曲: 森山良子

カレッジフォークの第一人者だった森山良子のデビュー曲。この曲がリリースされた時に私はまだ小学1年生で、この曲を知ったのは中学生になってからです。森山さんの存在を知ってからは、鈴を転がしたような美しい歌声に憧れたものです。「縁唄」では、りおちゃんが主旋律を情感たっぷりに歌っています。


10. 遠い世界に
発売:1969年5月8日(私が9歳)
歌:五つの赤い風船
作詞:西岡たかし
作曲:西岡たかし

五つの赤い風船の代表曲。中学の頃によく聴いたり歌ったりしましたが、実は原曲を聴いたのはかなり後になってからです。さらに、五つの赤い風船が歌っている姿を見たのはYoutubeの時代になってからです。「縁唄」では、二人がとても気持ち良くハモっています。


11. あの素晴しい愛をもう一度
発売:1971年4月5日(私が11歳)
歌:加藤和彦 北山修
作詞:北山修
作曲:加藤和彦

北山修が作詞、加藤和彦が作曲した名曲で、数多くのミュージシャンにカバーされています。北山の歌詞が素晴しく詩的で、変則スリーフィンガーのギターの音色も心地よいです。この曲を初めて聴いたときには、「これぞフォークソング!」と思いました。「縁唄」では、りおちゃんがメインでリズミカルに歌っています。


12. ママはフォークシンガーだった
発売:?
歌:長谷川きよし、杉田二郎、なごみーず等
作詞:北山修
作曲:長谷川きよし

このアルバムのなかで唯一まったく知らなかった曲。長谷川きよしや杉田二郎がライブで歌っていたが、レコードとしてリリースはされなかったようです。最近になって、なごみーずがアルバム「アコースティックナイト 3rd」に入れてリリースしました。歌詞の内容といい、曲調といい、「縁唄」を締めくくるのにぴったりの選曲だと思います。

今日は、稲城市のコーチャンフォー若葉台店で、発売記念インストアイベントがあります(1回目11:00~/2回目13:00~)。楽しみです!

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