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約1万2000年前、なぜヒトは他の集落を襲撃するようになったのか?

長い進化の歴史のほとんどの期間、ヒトは小集団で狩猟採集生活を送ってきましたが、約1万2000年前から、集落を作って一ヶ所に定住するようになりました。その後、集落は急速に拡大し、やがて都市国家や小王国の規模になりました。その理由について、「ダンバー数」で有名なイギリスの進化心理学者ロビン・ダンバーは、農耕が始まったからではなく、近隣の集落からの襲撃に対する防御のためだと説明しています。それを裏付けるように、当時の遺跡の外壁や家の造りには、明らかに防御のための備えとみられるものが残っています。また、当時のヒトの骨を分析すると、暴力を受けたと思われる痕が多く見つかる一方で、狩猟採集生活をしていた頃よりも栄養状態が悪化していて、食料確保よりも防御の方が優先課題だったことが窺えます。

それほど襲撃に対する防御が重要だということは、見方を変えれば、さかんに他の集落を襲撃していたということです。それではどうしてヒトは、他の集落を襲撃するようになったのでしょうか?この辺りに、戦争の起源が隠されているような気がしています。

ヒトは、血縁者や小集団内の仲間に対しては利他的な行動をするように進化してきました。血縁者がうまく生き残れば自分と同じ遺伝子が次世代にたくさん残ることになるし、集団内の仲間に貢献すれば後でそのお返しが期待できるからです。ただし、こういった利他的な行動の範囲は小集団内に限られ、集団の外部の者に対しては逆に排他的に振る舞うように進化してきました。

ただ、排他的傾向があるだけでは他の集落を襲撃することにはならず、わざわざ襲撃を仕掛けるからには何かそれ以上の理由があるはずです。次の2つが頭に浮かびます。

  1. 寒冷化や砂漠化による食物の減少、あるいは食物生産量を超える人口の増加によって、他の集落の食物や耕地を奪わないと生きていけなくなったから
  2. 集落が大きくなり社会が階層化するにつれて、襲撃を企てて指揮するリーダーが現れたから

1.は最初のきっかけになったかもしれないけれど、大規模かつ継続的に襲撃が行われるためには、2.のようなリーダーの存在が不可欠だと考えられます。集落がさらに大きくなり国のレベルなると、リーダーは王と呼ばれるようになります。王が戦争を好む理由は、

  1. 領土が広がれば、より大きな権益が得られるから
  2. 王はその地位を自分の子や血縁者に引き継ごうとするが、領土が広がれば、より多くの権益を次世代に引き継げるから
  3. 外部に敵を作ることで、国内の結束を強くできるから
  4. 征服した相手から奪った資源の一部を、戦争の功労者の恩賞に充てることができるから

このような王の地位が確立されていく時期と、襲撃が激化する時期が一致していて、これが戦争の起源のような気がします。さらに、数百万人の規模になった国民を一つの方向に向かわせるために、「高みから道徳を説く一神教の神」が考え出されたのではないでしょうか?

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