「コーヒーの日」スペシャル企画 d SCHOOL 「わかりやすいコーヒー」(第1部)

先月3日に福岡の名店「珈琲美美」に行った時に、森光宗男マスターから教えてもらったイベント「コーヒーの日」スペシャル企画 d SCHOOL 「わかりやすいコーヒー」ー コーヒーのルーツと今 ーに参加してきました。その「第1部」の様子です。

まずは映画『A Film About Coffee』の上映。産地の様子が詳しくわかって参考になりました。また、閉店してもう見られなくなってしまった大坊珈琲店のカウンター内での大坊勝次さんの芸術的なハンドドリップがノンカットで収録されていて、それだけでも観る価値があると思いました。
『A Film About Coffee』

続いて、今年1月にエチピアを訪ねた森光さん一行が写真を交えて現地の様子を伝えてくれました。森光さんはイエメンを5回、エチオピアを8回訪ねているそうです。
20161001-01

森光さんに同行した田原照淳さん(蘭館)、森崇顕さん(COFFEE COUNTY )、後藤直紀さん(豆香洞 )。
田原照淳さん、森崇顕さん、後藤直紀さん

エチオピア東部のハラールにて。金色をした希少なゴールデンビーンズが豆のなかに混じることで、スパイシーな味わいが生まれると言われていますが、写真はなんとゴールデンビーンズだけを選別したところ。
希少なゴールデンビーンズ

エチオピア南西部のカファにあるGala Wild Coffee Forestのコーヒーノキの原生林。森光さんは、この原風景を世界遺産に登録したいと考えています。地名の「カファ(KafaまたはKaffa)」が「Coffee」の語源だと言われていますが、現地ではコーヒーを「ブンナ(Bunna)」と呼ぶそうです。
コーヒーノキの原生林とヤギ

カファの原生林の中でも最も古いマザーツリー。
原生林の中で最も古いマザーツリー

イルガチェフェにて。水洗式精製における天日干しの風景。私はエチオピアはみんな非水洗(ナチュラル)かと思っていましが、場所によっては水洗式も行われていうようです。大規模なのでびっくりしました。
水洗式の豆の天日干しの風景

こちらは非水洗(ナチュラル)式の天日干し。特別な豆は、時間をかけて丹念に精製するそうです。
非水洗(ナチュラル)式の天日干し

最後に「チャット問題」と「ベリーボーラ問題」が紹介されました。「チャット」は日本では麻薬の一種に分類されているようですが、エチオピアでは合法で、外貨を稼ぐために中東諸国などに輸出されているようです。コーヒー栽培よりもお金になるので、コーヒー畑がどんどんチャット畑に変わっているようです。「ベリーボーラ」はコーヒーの実を食べる害虫で、コーヒーを選別する時の「虫食い豆」は、ベリーボーラーの仕業です。


エチオピアについてのトークの後は、「ネルブリューワーNELCCO(ねるっこ)」のお披露目会。森光さんが監修し、富士珈機が開発した抽出器具で、上部のステンレスの器にお湯を入れるだけで、底に空いた9つの穴がプロの注ぎ方を再現してくれるとのことです。
NELCCO(ねるっこ)お披露目会


「ねるっこ」の説明を聞いて、ひとつ分かったことがあります。先月「美美」でネル枠を買ったのですが(→こちら)、普通のネルじゃないような気がしていました。やっぱりこの素材はネルではなく、麻の一種の「ヘンプ」で、織物ではなく天竺編みの編み物(ニット)でした。「麻福」の北村隆国さんと森光さんが共同で開発したものだそうです。

美美のネル枠

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森光 宗男(もりみつ むねお)
珈琲美美(びみ)店主。1947年福岡県久留米市生まれ。
1972年より5年間、東京吉祥寺「もか」標交紀師のもとで珈琲を学ぶ。
1977年福岡市今泉で自家焙煎・ネルドリップの店を開き、
2009年同市赤坂に移転、現在に至る。

(第2部に続く)

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