ドラッカー学会主催ネクスト・ソサエティ・フォーラム2019

ドラッカー学会の総会&大会「ネクスト・ソサエティ・フォーラム2019」に行ってきました。何も研究活動をしていない幽霊会員の私ですが、年に1回の総会&大会は参加するようにしています。今年のテーマは「教育革命と知識社会-今、「もう一つの知性」を問う。」ですが、もう一つの大きなテーマは今年1月10日に亡くなられた上田惇生さんの追悼です。

ドラッカー学会の総会&大会

私がある雑誌の編集者だった1990年代に、ドラッカーの特集を組む度に上田惇生さんの元を訪ねて、たくさんのことを教えていただきました。上田さんは最初に「今回の特集の狙いは何か?」と聞いてくれます。そして、その狙いにぴったりの内容を、ドラッカーとのやり取りのエピソードなども交えて話してくれました。さらに、「この資料が役立つだろう」と、他の講演などで使った資料もコピーして渡してくれました。上田さんのこのような心のこもった対応に、何度も助けられました。上田さんは、ドラッカーを学ぶ全ての人にとって、大きな「道しるべ」でした。ほんとうにありがとうございました。

今回の総会&大会のテーマは、これまでの13回とは少し切り口が違って、「教育」に焦点を当てたものでした。特に印象に残ったのは、安冨歩さんと岩崎夏海さんの対談「ぼくらは、教育の未来についてこんなふうに考えている」と、西條剛央さんと高濱正伸さんの対談「本質に根ざした真の学びとは何か?」の2つの対談です。安冨さんと岩崎さんの対談は「子供を学校に通わせないほうがいい」というラディカルな内容でしたが、細部はともかく、大筋では同意できることが多かったと思います。また、西條さんと高濱さんの対談は、人文科学の方法論にも関わる重要な問題点を提起していて、物事の本質に迫ることの重要性を再認識できました。西條さんは「構造構成主義」という新しい知の枠組みを提唱していて、最近では「エッセンシャル・マネジメント・スクール」を立ち上げています。

by
関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください